TPAMフリンジ参加作品
「Parade」
「Parade」
失ったものの匂い、残ったものの手触り、丸ごと抱えて雑踏を往く
横浜を拠点に活動する岡田智代のソロダンス。場の環境や日常を作品に落とし込むことを得意とする岡田が、15年前にSTスポットで初演した作品のリクリエーション。半世紀以上前の横浜開港記念日のパレードにインスパイアされた作品。「歩く」ことで通過していく過去/現在/未来。
日程
2018年
2月17日(土)19:00 終演後アフタートーク ゲスト:平倉圭(芸術学)
2月18日(日)15:00/19:00
※上演時間:60分(予定)
会場
若葉町ウォーフ WAKABACHO WHARF
横浜市中区若葉町3-47-1
※京浜急行線「黄金町駅」から徒歩約4分
※京浜急行線「日ノ出町駅」から徒歩約8分
https://wharf.site/
チケット料金
前売券 \3,000
当日券 \3,500
(全席自由席)
アーティストプロフィール
岡田智代 Okada Tomoyo
1956年生まれ。ダンサー。大学卒業後ダンスから離れ日本航空国際線客室乗務員として勤務。結婚後三児の母になった後、再び踊り始める。2005年トヨタコレオグラフィーアワードのファイナリスト。ソロ活動の他、ジェローム・ベル、多田淳之介、捩子ぴじん、FAIFAI、山下残等の作品に出演。近年は演劇にも幅を拡げ、柴幸男作品に出演。炸裂するエネルギーと静謐な時間を合わせ持ち、生きるように踊る。
佐々木すーじん
大学在学時にscscs結成。バンド時代はギター/作曲を、2014年以降は出演/演出を兼ねる
。2010〜12年ダンスカンパニー「Co.山田うん」に参加。出演、音楽、楽器演奏、音響な
どで国内6都市を巡る。その他、捩子ぴじん作品での出演・音楽、ユン・ハンソル
『Saitama Frontage』(さいたまトリエンナーレ2016)出演・音楽、など。scscsにて山川冬樹賞を受賞(千代田芸術祭2014)
キャスト/スタッフ
振付・ダンス 岡田智代
音楽 佐々木すーじん
照明 中山奈美(Blind LIT)
映像 加藤和也(FAIFAI)
衣裳 藤谷香子(FAIFAI)
舞台監督 森友樹
翻訳 グンナレ更
絵 林亮佑
制作 横井貴子、小野寺里穂、小原光洋
協力 STスポット横浜、国際舞台芸術ミーティング in 横浜
主催 Contrail
お問合せ:parade.okadatomoyo@gmail.com
1956年生まれ。ダンサー。大学卒業後ダンスから離れ日本航空国際線客室乗務員として勤務。結婚後三児の母になった後、再び踊り始める。2005年トヨタコレオグラフィーアワードのファイナリスト。ソロ活動の他、ジェローム・ベル、多田淳之介、捩子ぴじん、FAIFAI、山下残等の作品に出演。近年は演劇にも幅を拡げ、柴幸男作品に出演。炸裂するエネルギーと静謐な時間を合わせ持ち、生きるように踊る。
佐々木すーじん
大学在学時にscscs結成。バンド時代はギター/作曲を、2014年以降は出演/演出を兼ねる
。2010〜12年ダンスカンパニー「Co.山田うん」に参加。出演、音楽、楽器演奏、音響な
どで国内6都市を巡る。その他、捩子ぴじん作品での出演・音楽、ユン・ハンソル
『Saitama Frontage』(さいたまトリエンナーレ2016)出演・音楽、など。scscsにて山川冬樹賞を受賞(千代田芸術祭2014)
キャスト/スタッフ
振付・ダンス 岡田智代
音楽 佐々木すーじん
照明 中山奈美(Blind LIT)
映像 加藤和也(FAIFAI)
衣裳 藤谷香子(FAIFAI)
舞台監督 森友樹
翻訳 グンナレ更
絵 林亮佑
制作 横井貴子、小野寺里穂、小原光洋
協力 STスポット横浜、国際舞台芸術ミーティング in 横浜
主催 Contrail
お問合せ:parade.okadatomoyo@gmail.com
撮影:松本和幸
◆批評
寄稿:平倉圭
(ST Spot 30th Anniversary Dance Selection vol.2 ダンスショーケース参加作品「Parade」を観劇して)
目を逸らす、目を凝らす
歩いている彼女の手が動く。ツツーと。空中に何かをたどるように。ふっと逸れてまたツツーと別方向に。動きはばらばらの方向に砕けている。それを見ながら、私も空中に何かをたどり、思い出そうとしているようだ。
ダンスを見る時、私には焦点が二つある。楕円のように。観客である私はここにいて、動きを探している、と同時に、向こう側で、ダンサーが動きを探している、その場所にも私はいる。
ダンスを見ていると、時々、何かを思い出そうとしている子供の顔を思い出す。ぐらぐら揺れて、両目は離れるよう、口元が曖昧に開く。私は、その動きを外から見つめつつ、内側から感じようとしている。
二種類のダンスがある。内側から感じとられるダンスと、外側から映像のように眺めるダンス。岡田智代のダンスは前者だ。何かを思い出そうとする子供の顔のような踊り。
彼女の体がぎゅーっと固まる。体が現在に収縮する。徐々に彼女が立ち上がり、歩き始めると、ぶら下がったジャケットが床に擦れている。過去が物質的に引きずられているかのよう。擦れる音を通して、私は過去に触れようとしている。
今回のParadeという作品は、横浜の港で岡田が子供の時に見たパレードの記憶と、その記憶から生まれた過去のダンス作品を基にしている。ダンスは過去の異なるレイヤーを畳んでいる。
過去は消えない、実在すると哲学者は言う。そうだとしても、どうやってその過去にアクセスできるのだろう。空中に過去をたどる。空中に過去をたどる身体を外からたどる。
時間を眺める視野には盲点が散らばる。暗い星雲を見つめるときのように。まっすぐに見ようとすると消えてしまう。目を逸らして。また目を凝らして。過去に、あるいはダンスに。逸らす、凝らす、逸らす、凝らす……。
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